帰り道をさがす
以前、ナイトハイクをしていた時のことです。
遠くからミミズクの声が聞こえてきたので、私たちは彼に近づくことができるかどうかためしてみることにしました。
けれども、近づいたと思うたびにミミズクは森の奥へと飛んでいってしまいます。
とうとう真夜中になってしまいましたが、結局追いつくことができなかったので、キャンプ場へ帰ることにしました。
私がどちらに帰るべきか尋ねた時、小さな7本の人さし指が示した方角は、230度ものひらきがあったの
です。
その日は雨の気配もなく、高原にしてはそれほど寒い夜ではなかったので、私は子供たちに、独力で帰り道を探すように言いました。
最年長の子供がリーダーになり、私がしんがりをつとめました。
まもなくしてみんなは、リーダーにも道がわからなくなってしまったことに気づきました。
しかし、そのことを言いたてるものは誰もいません。
そのうち、結局スタート地点にもどってしまったので、彼はリーダーの役をおりて、別の子供が交代したのです。
次々とリーダーが代わり、どの子供も自分こそはと始めるのですが、私たちは夜の森をグルグルと歩きまわるばかりでした。
ついに子供たちは自尊心を捨てて、暗やみの中で帰り道を見つけ出すことはとてもできないことを認めたのでした。