帰り道をさがす 2
寝袋も暖かいコートも持っていなかったのですが、子供たちの意向を察して互いに暖め合うようにして夜をすごすことに決めました。
一番うす着の子供を真中にして、他の子供がその上におおいかぶさったり、まわりを取り囲んだりしました。
これは、初めの30分ほどはうまくいったのですが、下のほうで押しつぶされていた子供が、モゾモゾと外へはい出してきました。
すると外側にいた子供は、そのチャンスをねらって内側の暖かい所へもぐりこもうとします。
上にのっている子供は、寒いし、下の子供は押しつぶされて苦しくなります。
上から下ヘグルグル動いているうち、ちょうど真中にいる時だけ心地よく暖かくすごせるのです。
4時間ほどこうしてブソゴソしていたでしょうか、東の空がぼんやりと白み始め、この騒動も終わりとなりました。
私たちは起き上がって、トントン足ぶみしたり、腕をふりまわしたりして体を暖めながら日の出を待ったのです。
陽がのぼった後では、帰る方向を見つけることはたやすいことでした。
キャンプ場にたどり着いた時、私たちの目は疲れてかすんでいましたが、心の中は勝利と自信に満ちていました。
そのことがあって、1年後に子供たちに再会した時、彼らは私に「もう1度野宿してみたいなあ」とせがんだのでした。
特別やってみたいというのでなければ、わざわざこんな経験をする必要はありません。
そのかわり、これから紹介するゲームは、子供たちが自然を観察することに全ての神経を集中するという点では、同じような役割をはたしてくれるでしょう。